漫画『いぬやしき』(全10巻)を一気読みしました!ネタバレあらすじ/映画化情報

いぬやしき全10巻
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『GANTZ』で有名な奥浩哉先生の『いぬやしき』をアニメで数話観たら面白かったので、Amazonでkindle版を全巻大人買いして一気読みしました。

『GANTZ』はすごくハマった大好きな作品でしたので次回作も注目していましたが、初めの方だけ読んで「おじいちゃんが主人公」っていう時点でどうも乗れなくて、それっきりになっていました。ですが、いざ読んでみたら、さすが奥浩哉先生!めちゃくちゃ面白かったです。

『いぬやしき』は漫画史に残る傑作だと思いましたよ。

この記事では、感想や考察、あらすじなんかを書いています。

木梨憲武さんと佐藤健さんの主演で実写映画化もされるようで、そのあたりの情報もフォローしています。

※2/15追記:実写映画版「いぬやしき」の公開日と予告動画
※4/40追記:実写映画版「いぬやしき」を観た感想

「いぬやしき」ざっくりあらすじ(ネタバレあり)

犬屋敷壱郎(いぬやしきいちろう)は、50代にして「おじいちゃん」と間違われるほど老けた冴えない男。妻と息子、娘の4人暮らし。内向的な性格で、会社でも存在感がなく、家族からも無視された状態で拾った犬の「はな子」だけを心の支えに寂しく生きている。

そんな彼が、宇宙人の引き起こした事故に巻き込まれ、全身機械の身体の作り替えられてしまう。それは無敵で地球を滅ぼすことができるほどの力を秘めていた。水の燃料さえあれば食事も不要で、空も飛べる。またどんな難病も治癒でき、傷ついた命を救うことができた。

同じく、宇宙人の事故に巻き込まれ、機械化した人間がもう一人存在した。高校生・獅子神皓(ししがみひろ)だった。

犬屋敷壱郎は、「人の命を救ったときだけ生きている実感を感じる」のに対し、獅子神皓は、「人を殺したときだけ生きている実感を感じる」という相反する道を進むことになる。犬屋敷壱郎が一人でも多くの人の命を救おうとするのに対し、獅子神は夜ごとに民家に押し入っては殺戮を繰り返していく。

しかし、獅子神皓にとっても、幼馴染みの安堂直行(チョッコー)や思いを寄せてくれる同級生の女の子・渡辺しおんといった、大切だと思える人間も存在していた。

獅子神皓は、安堂直行に機械化した身体を見せ、直行をいじめる同級生を平然と殺して見せるが、そんな冷酷な獅子神に直行はついていけないと告げる。

無差別大量殺人を起こし、日本中を敵に回した獅子神の暴走を、犬屋敷壱郎と安堂直行は協力して止めようとする。ついに犬屋敷壱郎と獅子神皓は正面衝突し、激しい空中戦を繰り広げる。最後には犬屋敷が勝利し、獅子神は頭の一部と両腕を失うことになる。

日本を救った犬屋敷の存在はテレビを通じて全国に知られることとなり、犬屋敷は、ヒーローとして扱われ、家族の絆も取り戻し、幸せな家庭生活を手に入れる。

そんなある日、アメリカのトランプ大統領がテレビで緊急発表を放送する。それは、以前から地球に向かっていた巨大隕石の地球への衝突を回避する手段が尽きたことの発表だった。あと3日で地球は滅亡するという。

犬屋敷は引き止める家族に対し、「必ず戻る」と約束し、一人巨大隕石に向かった。しかし、巨大隕石は想像以上の大きさでどうすることもできない。そこへ獅子神皓が現れ、「自分にも死んでほしくない人がいるんだ」と言い残し、自ら自爆することで巨大隕石の軌道を変えようとする。しかし、獅子神の自爆をもってしても巨大隕石の軌道は変わらず、犬屋敷に残された道は、自らを自爆させることで隕石を消滅させることだけだった。

地球は2人の死によって救われた。彼らの身近にいた者たちだけが、2人の英雄的な行いを記憶していた。犬屋敷の息子・剛史は初めていじめに抵抗し、ボコボコにされるが空を見上げ父を思う。犬屋敷の娘・麻理は応募していた漫画賞の大賞受賞の知らせを受け取る。

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「いぬやしき」の感想と考察

ストーリーは非常に綺麗にまとまっていて、読後感は「とても良い映画を観た後」のようでした。おそらく、初めに結末までカッチリと決めて、設計図通りに描き切ったという感じです。10巻で完結というのも読みやすくて良いです。

おそらく、あらすじだけを読むと荒唐無稽すぎて全く面白くなさそうに思えるかもしれませんが、『GANTZ』の舞台設定がそうだったように、不思議な説得力のある描き込みで、自然にストーリーに引き込まれていきます。圧倒的にリアルな背景や、独特な科白回し奥浩哉節全開です。容赦のない残虐描写も多いですが、そこが奥浩哉マンガの魅力でもあります。

獅子神皓を完全な悪ではなく、幼馴染みの安堂直行を配置することで、より深みのあるキャラクターにしています。獅子神は「身近な人間以外はどうなってもかまわない」というある種、現代的な感受性の持ち主です。絵は『GANTZ』に引き続き大胆にCGを取り入れていて、迫力ありますし、後半は、大友克洋さんっぽい感じもありますね。

また「2ちゃんねる」等のネット・カルチャーが出てくるのも『GANTZ』の頃からのお馴染みですが、ネット民のリアルな振舞いの描写が相変わらず上手いです。また、「トランプ大統領」「ミヤネ屋の宮根さん(ミヤノ)」などどう見ても本人をモデルに書いてるキャラクターも奥浩哉先生にはおなじみですね。

安堂直行が『GANTZ』のファンで、部屋にポスターをベタベタと貼っていたり、獅子神と『GANTZ』について語り合ったりする場面もあります。笑

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デビルマンへのオマージュ

前作『GANTZ』もラストは明らかに永井豪先生の『デビルマン』へのオマージュが見られましたが、本作もデビルマン的モチーフに満ち溢れています。超パワーを手に入れた2人の男が「悪と正義」に分かれて戦うが、根っこでは繋がっている的な感じでしょうか。奥先生は『いぬやしき』で「SF版デビルマン」がやりたかったんだと思いますね。

2人を機械人間に改造した宇宙人がその後まったく出てこないのも納得です。そこを描くとデビルマン的対立構造が壊れちゃいますもんね。

アニメと実写映画について

アニメの「いぬやしき」から入った僕ですが、漫画を読んだ結論としては、アニメはダメだと思いました。漫画で読んだ方が100倍面白いです。やっぱり奥浩哉先生は絵に強度があるので、漫画で読んだ方が作品の持つ力が伝わってきます。アニメだと尺の都合でストーリーや科白がかなりはしょられていて、正直あまり良い出来にはなっていないです。絶対に漫画を読むべきです。

※追記:その後、アニメ版も継続して観ていますが、アニメはアニメでテンポが良くて面白いです。なので、アニメの評価、ちょっと訂正します。

映画化に関しては、『GANTZ』の実写映画を監督した佐藤信介さんがメガホンを取るようで、実写版『GANTZ』にがっかりさせられた身としては、かなり不安を感じます。

ただ『GANTZ』が実写映画化されたときは、まだ連載の途中だったんですよね。なので、実写版『GANTZ』はオリジナルの要素をふんだんに盛り込んた、全く別モノのお話とせざるを得なかった、という事情も分かります。『いぬやしき』はすでに連載が終了した作品ですので、『GANTZ』よりは作りやすいと思うのですが、どうでしょうか?

でもハリウッド規模の予算をかけて撮るならいざ知らず、しょぼいCGで再現しても微妙なものにしかならないような気もします。実写映画化するくらいなら、GANTZの大阪編をフルCGで再現した『GANTZ:O』みたいなのを観たかったです。『GANTZ:O』はかなり好きです。オススメです。

まあ、それほど期待せずに完成を待ちたいと思います。映画館に観には行くと思います。

2018年の公開ということですが、新しい情報が出てきたら追記しますね。

映画『いぬやしき』のキャスト

監督:佐藤信介
脚本:橋本裕志
犬屋敷壱郎:木梨憲武
獅子神皓:佐藤健
安堂直行:本郷奏多
渡辺しおん:二階堂ふみ
犬屋敷麻理:三吉彩花
犬屋敷剛史:福崎那由他
犬屋敷万理江:濱田マリ
獅子神優子:斉藤由貴
萩原刑事:伊勢谷友介

脚本は、元々アニメやドラマを多く手掛けてきた橋本裕志さんです。映画だと『テルマエ・ロマエⅡ』や『ビリギャル』なんかを手掛けてきた方のようです。映画『ビリギャル』は結構好きでしたが、あまり映画的な作品にはなりそうもない感じですね。そもそも映画的な作品を目指してはいないと思いますが。

犬屋敷壱郎役が、とんねるずの木梨憲武さんっていうのは良いとして、佐藤健さんは「また?」っていう感じがしないでもないですね。「とりあえず佐藤健出しとけば客呼べるだろう」的な。むしろ、映画「GANTZ」で西くんの役を演じた本郷奏多さんの方が獅子神っぽい印象もあります。今回は直行を演じるそうですが、イメージ違うかなって思いますけど。

獅子神の母親を斉藤由貴さんが演じるそうで、母親の自殺をはじめとした家族とのエピソードは、獅子神が大量殺戮に吹っ切れていく重要なきっかけとなっています。斉藤由貴さんの演技はかなり好きですし、イメージもぴったりな感じです。橋本裕志さんが脚本を手掛けた『ビリギャル』は「家族再生もの」映画として良作だったので、家族エピソードをどう扱うのか楽しみです。『いぬやしき』もSFであると同時に犬屋敷家の「家族再生もの」ですからね。

また、映画オリジナルキャラクターの刑事を伊勢谷友介さんが演じるそうです。オリジナルかぁ・・・。

映画『いぬやしき』の公開日と予告編動画

実写映画版『いぬやしき』の公開日が2018年4月20日に決まりました。 予告編の動画も公開されました。予告編を観るかぎりだと、アクションシーンはかなり期待できそうです。あとは人間ドラマ部分でどれくらい魅せてくれるかで満足度が決まりそうです。

映画『いぬやしき』の感想

映画版『いぬやしき』を観てきた感想です。 それほど期待せずに観に行きましたが「正解」でした。「正解」というのはもちろん「期待せずに正解」という意味です。CGのアクションシーンはなかなか頑張ってましたが、全体的に原作ファンを満足させるような出来ではありませんでした。配役や役者の演技は気になりませんでしたが、脚本がイマイチですね。最後の隕石のくだりをバッサリカットするのは予算や尺の問題から百歩譲って理解できるのですが、だったら、それ相応に問題を回収しないと見終わった後味がスッキリしません。『いぬやしき』は家族の映画なので、娘との関係だけはなんとなく解決されたとしても、他の問題が解決していないのはいただけません。 あと、アクション押しで行くなら、飛行機の墜落シーンはやって欲しかったです。邦画にそこまでは難しいかな、とも思いますが。

まとめ

『いぬやしき』の漫画版は、おすすめです。SF漫画史に残るであろう大傑作だと思います。とくに『GANTZ』が好きだった人は絶対好きだと思いますよ。はじめは「主人公がおじいちゃん」っていうことに抵抗を感じるかもしれませんが、読んでみればイケメンや美少女、屈強なヤクザ(笑)も出てきますので、ぜひ読んでみてください!

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