ウイングマンのアニメ版は漫画原作と全く違う!最終回の解釈【あらすじネタバレまとめ】

ウイングマン1巻と13巻
コミックス1巻&13巻表紙より©桂正和/集英社

YouTubeの「週刊少年ジャンプ創刊50周年記念チャンネル」で夢戦士ウイングマンアニメが配信されていまして(すぐに配信終了したみたいです)、めちゃくちゃ懐かしかったので、ウイングマンの個人的な思い出を交えつつ「まとめ」を書いていこうと思います。

桂正和先生によるマンガ原作は、アニメ版とは全く違います。この記事では、主に漫画版について書いていきますが、個人的な「トラウマ」はアニメ版によって刷り込まれたものが大きいです。この記事は、いわゆる「思い出コンテンツ」になると思いますので、子供のころにウイングマンを読んでいた方に懐かしく読んでいただけると嬉しいです。YouTubeやAmazonPrimeでアニメ版ウイングマンを知った方は、ぜひマンガ原作も読んでくださいね。

夢戦士ウイングマン」はTVアニメオリジナルのタイトルです。漫画ではただの「ウイングマン」です。鳥山明先生の「Drスランプ」がTVアニメだと「Drスランプ アラレちゃん」になってるのと同じですね。

漫画連載(少年ジャンプ):1983年5・6合併号~1985年39号
テレビアニメ:1984年2月7日~1985年2月26日(全47話放映)

【追記】2019.11.20現在:Amazonプライム会員の方はアニメ全話の無料視聴が可能です(現在、終了しました)

ウイングマンと私:アニメから漫画へ

コミックス1巻より©桂正和/集英社

「ウイングマン」をはじめて知ったのはテレビのアニメでした。たしか小学校1年生でした。主人公がひょんなことから「本当に変身できるようになる」という設定に惹かれ、「僕にもドリムノートがあったらなぁ」と夢想していました。

TVアニメを観て、すぐに漫画があるということを知り、親に買ってもらうのですが、子供すぎて、知らない漢字だらけで、言い回しも分からないものが多かったです。繰り返し何度も何度も読んで、分からない言葉はお母さんに聞いたりしていました。そう、僕はウイングマンの漫画で日本語を覚えたといっても過言ではありません。それ以前は、漫画といえば「ドラえもん」くらいしか読んだことがありませんでしたから。

初めて自分の意思で買ったウイングマンのマンガ本は、なんと1巻ではなく3巻でした。おそらく「ドラえもん」しか漫画に触れたことがなかったので、漫画は1巻から買うものだということすら分かっていなかったんでしょう。ですが、話のつながりとか全く気にせず、何度も繰り返し読んでいました。

めちゃくちゃハマった結果、健太さながらにウイングマンの自作コスチュームを作るほどでした。もちろんドリムノートも画用紙と折り紙を使って自作していました。アニメのエンディングテーマを見て、変身のポーズのアクションを覚えて学校で真似していましたよ。

変身ポーズのアクションは、コミックの2巻のオマケページで桂先生が図解入りで解説されています。文庫版ではなく単行本のみです。

子供にはエロすぎたウイングマン(笑)

ただ子供が見る漫画(アニメ)としては、エロすぎましたね(笑)
アオイさんなんて居るだけでエロいですからね。あまりのエロさに、TVアニメのウイングマンに夢中になっている私に対して、母と姉が本気で心配していたくらいです。子供心に「このままではテレビを見るのを禁止されてしまう」という危機を察知した私は、「自分が好きなのはあくまで変身ヒーローで、女の子なんて全く興味がない」というアピールをしていましたよ。これは嘘じゃなくて、当時の私は、本当に「ウイングマンのカッコ良さ」と「夢のある設定」に魅せられていただけで、エロ要素はどうでもよいものでした。実は、漫画原作はもっとエロいんですどね(マグネットプラスとか、ヤバかったよね笑)。

今、読むなら文庫版がお手軽です。

ウイングマンの魅力と見どころ

魅力1:作者の熱量が違う!

コミックス1巻より©桂正和/集英社

あらゆる表現において「デビュー作には、すべてが詰まっている」と言われます。桂先生が最も書きたい「ヒーローもの」最も得意な「ラブコメ」を、絶妙なバランスで描いたのが「ウイングマン」です。

桂正和先生の作品は『電影少女』『I”s』『ZETMAN』あたりが有名ですが、桂先生の連載デビュー作が『ウイングマン』です。なので、作品にかける熱量が以後の作品とは違います。すべての作家にとってデビュー作は一作しかありませんから。読んでいて「本当に変身ヒーローが好きなんだろうな」ということがビシビシ伝わってきます。

なお、デビュー時の担当編集者は、あの鳥山明を育てたことでも有名な鳥嶋和彦氏です。そして、鳥山明先生と桂正和先生の2人は親友で、「カツラアキラ」名義の共作で漫画も描いています。

人間との付き合いをあまり好まないボクにしては珍しく気が合い、その後いつのまにか年齢は違うが親友にまでなってしまった。描く漫画は正反対といっていいぐらいなのだが、おもしろいものである。

引用元:文庫版ウイングマン1巻(集英社文庫)鳥山明 解説エッセイより
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魅力2:馴染みやすい秀逸な設定!

正義の味方に憧れるヒーローおたくの普通の中学生が、ひょんなことから本当に変身できるようになってしまい、日常生活を送りながら敵を倒していく、という「自分にも同じことが起こるんじゃ?」と夢想させるような、等身大で馴染みやすい設定が読者の共感を呼びました。

しかも、はじめは変身できるだけで、ものすごく弱いんです。トレーニングを重ね、戦いを重ねる中で本物のヒーローとして成長していく、主人公の成長物語になっています。この自分を重ねやすく、主人公と一体化できるような設定が秀逸でした。

そして、全体を読むとたびたび言及されていますが、「ウイングマン」の最大の武器は「想像力」なんです。「特別な力」ではないという点で、ここも読者が共感しやすいポイントとなっています。

魅力3:デザインがカッコいい!

ソーラーガーダー/コミック文庫版6巻より©桂正和/集英社

ウイングマンが、とにかくカッコいいんです。最後は、なんといってもココに集約されます。

ウイングマンのデザインのカッコ良さは、「シンプルで独自性にとんでいる」という点でしょう。ほかの「ヒーローもの」が、どれも「ギャバン」みたいなフォルムなのに対して、ウイングマンのフォルムは他のどのヒーローとも似ていません。全身真っ黒で「W」をモチーフにしたシンプルなデザイン、そして真っ白で大きな翼!めちゃくちゃカッコいいです。(ウイングマンの次に連載された、ギャバンっぽい見た目の「ヴァンダー」は、人気が出ませんでした。)
最近の桂先生の描くヒーローもカッコいいですが、個人的にはちょっと書き込み過ぎな気がします。

そして、デザインのカッコ良さは、物語の後半に出てくる「ソーラーガーダー」で”極み”に達します。はじめて誌面でソーラーガーダーを見たときは文字通り脳天を直撃されたかのような衝撃を受けました。今見ても、あまりにカッコいい!!

万能エアバイク「ウイナア」も最高にカッコいいです。変形して「ウイナルド」になります。アニメではおそらく大人の事情で「ウイナア」はほとんど登場せず、代わりに「ウイナアⅡ」と「ウイナルドⅡ」が登場しますが、最強にダサいです(笑)

ウイナア / コミックス1巻より©桂正和/集英社

ウイングマン(漫画原作)のあらすじ ※ネタバレあり

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ウイングマンは、大きく分けて、2部構成になっています。
第1部:リメル編
第2部:ライエル編

※あらすじの項だけ文体が違います。読みにくかったらごめんなさい。

第一部:リメル編

リメル/コミック文庫4巻より©桂正和/集英社

主人公の広野健太は、変身ヒーローに憧れる中学生。ヒーローに憧れるあまり、自作のヒーロー「ウイングマン」のコスチュームを作り、学校では居眠りをしている同級生を起こすために、わざわざトイレでコスチュームに着替えて登場し、授業を妨害する日々。担任の松岡先生には「ヒーローなんてなれっこない」と自作のコスチュームを没収されてしまうが、健太は「僕は遊びでヒーローごっこをしてるんじゃない!本当にヒーローになりたいと思ってるんだ!」と真剣な思いをぶつける。

学校からの帰り道、健太は異次元「ポドリムス」から逃げてきたあおいと出会う。突然、ビキニ姿で空から降ってきたのだ。気絶したあおいを家まで連れて帰る健太。あおいは書いたものを現実にする「ドリムノート」を持っていた。

健太は「ドリムノート」にウイングマンの落書きをしたことから、本当にウイングマンに変身できるようになる。

あおいの願いを受け入れ、ポドリムスを支配する悪の帝王リメルを倒すことを約束する。あおいとポドリムスに乗り込んだ健太は、宿敵となるキータクラーに返り討ちにされ、あおいの父親を救うこともできないまま三次元に戻る。

格好だけウイングマンになっても肉体は強くなっていないことを知った健太は、本当のヒーローとなるためにトレーニングを開始する。

はたして、広野健太は本当のヒーローになれるのか?

シードマン編:戦いの厳しさに直面

コミックス2巻より©桂正和/集英社

ポドリムスからの刺客・シードマンの「メレム」や「ロドムス」との戦いを重ねていく。物語は、シリアスなものになっていく。 ウイングマンの翼がもがれるシーン、子ども心にめっちゃ興奮したなぁ。 (子供はこういうシーン興奮しますね。「キン肉マン」でもボロボロにやられるシーンに熱くなってたし。)

・コンティニ・パンチ
・ウイングル・クラッシュ
・スパイラル・カット
・スプリクト・フラッシュ
・クロスバーン
・ドライバーレイド
・ファイナルビーム

等、最後までずっと使われる「ウイングマンの技」の数々も、この頃にドリムノートで現実化している。

ティール編:変身するシードマン

中学2年生に進級した健太は、 ヒーローアクション部で「学園戦隊セイギマン」のリーダーとなる。新聞部のスクープ記者として布沢久美子も登場。

新たな刺客・シードマン「ティール」が現れドリムノートを奪われてしまうデパートのヒーローショー(バギャンとの共演)を襲ったティールとの戦いで、セイギマンのピンクこと森本桃子、参戦。ドリムノートは半分にちぎれ、半分はシャフトに奪われ、もう半分は布沢久美子に拾われる。

コミック2巻より©桂正和/集英社

合宿編:ドリムノートのパワーアップ

ヒーローアクション部の海での合宿。奪われたドリムノートを巡る攻防。キータクラーはウイングマンを助けたことで裏切り者として投獄される。ドリムノートがパワーアップして新ドリムノートとなる。美紅ちゃんも変身できるようになり戦いに参戦。合宿では特訓でウイングマンの弱点であった高所恐怖症を克服する。

ザシーバ、あるいは美森くるみ編

テレビ出演と映画撮影。国民的アイドル「美森くるみ」のマネージャーに化けたデイシードマン「ザシーバ」が刺客として現れる。ウイングガールズ(あおい、美紅、ピンク、布沢久美子)の結成。第1部最大の大技「デルタエンド」の初披露。クロムレイバーは「バリアレイバー」に進化。ウイングマンを影から助けてくれる、謎の人物も登場。

ナアス編:あおいさんの幼馴染のゲスい誘惑

シリアスなエピソード。あおいさんの幼馴染の「ナアス」が刺客として三次元にやってくる。一時は健太を捨てて、ナアスとポドリムスへ帰ることを決意するあおい。健太とあおいの間の複雑な思いが描かれる。(個人的にかなり好きなエピソード。
※この辺りから、絵柄が大きく進化し、 「金田パース」を用いた見開きの絵が多様されるようになる。

【金田パース】 伝説のアニメーター金田伊功(かなだよしのり)氏が編み出した「あえてパースを歪ませ誇張する事でダイナミックさを表現する」手法です。

りろちゃん編:ロリっ子歌姫が大ヒット!

桜瀬りろが新たな刺客として登場。名前の通りのロリコンキャラ。能力は美声を活かした催眠と音波攻撃。りろは、健太以外のヒーローアクション部のメンバーとロックバンド「りろちゃんず」を結成し、レコードをリリースし、大ヒットさせる。美森くるみが再登場。健太とくみるは、りろちゃんずのコンサートに潜入調査をする。りろちゃんは戦いを経てウイングマンの仲間となる。

神谷三兄妹編:ラストバトルの前哨戦

健太・アオイ・美紅を仲違いさせ、健太を孤立させる目的で、神谷麗一、玲奈、麗人が送り込まれる。孤立した健太はたったひとりで戦うことになる。学園刑事ヒロダー(ヒーロー好きの一般人)登場。バトルはポドリムスでも行われる。一般人のヒロダーはポドリムスに置き去りになる・・・。

ポドリムス編:リメル編完結

健太とアオイはリメルを倒すためポドリムスに乗り込む。決戦を前に美紅ちゃんとデートしたり、友人に形見の超合金を配る。「さよならなんて言わないでの巻」は最高に泣けるエピソード。

ポドリムスでは、あおいの素顔がバレそうになったり、キタークラーが再登場したり、りろちゃんが助っ人参加したり。新兵器ソーラーガーダーの「ちょい見せ」もあり。

ポドリムスでリメルを打ち倒した健太は、あおいをポドリムスに残し、三次元に戻る。

第2部:ライエル編

一度は平和になったポドリムスも、宇宙人ライエルにより宝石にされてしまう。ライエルは惑星を宝石に変えてコレクションしており、ポドリムスの次のターゲットは地球だということが分かる。からくもポドリムスから逃げてきたあおいあおいのお父さんが、健太の家の隣に越してくる。再登場したあおいさんは、ビジュアルがよりお姉さんっぽくなってます。

ライエル編の敵キャラは、「~プラス」です。
・コウモリプラス
・スノープラス
・マグネットプラス
・バクプラス
と刺客が送り込まれます。「ギャグ要素つよめ」かつ「エロ要素つよめ」の戦いが続きます。(鳥山明先生との親交が深まり、ギャグを精力的に取り入れているのかな、と当時思ってました。)

バグプラスとの戦いでは、子どもの頃の健太が描かれ、「ヒーローに目覚め、ウイングマンが誕生するいきさつ、が語られます。かなり好きなエピソード。

ガルダン:最強の敵

ウイングマンに登場する敵の中で最強のガルダン登場。自衛隊が出動するが、ガルダンは戦車の大砲も効かず、楽々と戦車を投げ飛ばす。デルタエンドもヒートショックも破られる。

最後の戦い:ライエル、キータクラー

ライエルとの最後の戦い。戦いは表ざたになり、国民全員を巻き込んだ大きなスケールへと発展。ウイングマンがテレビに出て国民に呼びかけたり、誰でも「チェイング」と叫ぶことで、ウイングマンに変身できるようになったりする。ついには人々の思いのエネルギーが結集してウイングマンが巨大化して、ライエルとウルトラマンさながらの一騎打ちになる。クライマックスに相応しい胸アツな展開。

ライエルを倒したウイングマンは国を挙げてのパレードで真のヒーローとなる。そこへ「真のヒーローとなってウイングマンを倒すため」に、宿敵・キータクラーが現れる。ウイングマンとキータクラーの一騎打ち。

実は生きていた帝王ライエルにあおいが殺されてしまう。健太はウイングマンの全てを捨ててドリムノートの全ページを消し、「あおいさんが生き返る」と書く。そして感動のエンディング。果たしてあおいは生き返るのか・・・。
(最終回について、詳しくは「アニメ版と漫画版の違い」の項に書いています。)

ウイングマンの魅力的なキャラクター

広野 健太(ウイングマン)

広野健太
コミック文庫3巻より©桂正和/集英社

勉強は得意でなく、本気でヒーローになりたいと考えるちょっとおバカな中学生です。あおいから貰ったドリムノートの力でウイングマンに変身できるようになります。

健太は、なぜか女の子にモテまくります。出てくる女性キャラクターの全員が健太のことを好きになります。国民的なアイドルまでもが、健太のことを好きになりますからね。子供のころは羨ましくて仕方がありませんでした(笑)

ウイングマンは、健太の中学3年間のとっても短い期間のお話ですが、最後にはいい男に成長します。

夢 あおい:異次元から来たビキニのお姉さん

あおいさんが異次元ポドリムスから、広野健太のところに落ちてくる所から「ウイングマン」の物語は始まります。『ドラえもん』における”ドラえもん”であり、『忍者ハットリくん』における”ハットリくん”です。

あおいさんは地球人と同じ格好をしていますが、ディメンション・パワーの力で姿を変えているだけで、実際にはリメルなどと同じような顔をしています。リメルに捕まったあおいは、ディメンション・パワーを吸い取られてポドリムス人の顔に戻ってしまうシーンがありますが、健太に素顔を見られたくなくて涙を流すシーンは、かなりドキドキしました。

ライエル編からは、絵柄がより「お姉さんっぽく」変わります。健太が14歳に対して、あおいさんは16歳と少し年上なんです。

小川 美紅:元祖ブリっ子のヒロイン

コミックス1巻より©桂正和/集英社

健太と両想いになる、元祖ブリっ子のヒロインです。途中からは、美紅ちゃんも変身して健太と一緒に戦うようになります。アニメでは「わたし、そういうことするの、よくないと思うわっ」っていう口癖が、こと更に強調されていましたね。

後半では、健太の気持ちが美紅から離れ、あおいに傾いたりして、なかなか切ないポジションに追いやられます。ポドリムスに乗り込む健太との最後のデートのシーンと、勉強を教えるために訪れた健太の部屋の前で、中から聞こえるあおいさんとじゃれ合う楽しそうな声を聞いて、部屋に入れなくなるシーンが、個人的にベスト名場面です。

森本 桃子:健太に片思いの健気な女の子

学園戦隊セイギマンの「ピンク」として登場しますが、ウイングマンのラブコメ要素を盛り上げる重要キャラです。実は、幼少時から健太に片思いをしている一途で健気な女の子。ウイングガールズの一員として健太と共に戦います。主にパンチラ要員です。

ピンクを主人公にした「バレンタインデー回(ハッピーベルの巻)」での健気さは、少年漫画史に残る甘酸っぱさです。

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布沢 久美子:メガネをとったら、あら美人!?

コミックス3巻より©桂正和/集英社

学校新聞のスクープを追いかける新聞部の記者として登場。メガネっ子ですが、定番の「メガネをとったら、あら美人!?」な女の子。ウイングガールズ結成の発案者ですが、はじめは遊び気分が抜けきらず、役立たずでした。

ライエル編では、敵に「逆ハニートラップ」を仕掛けられたりと、あまり良いところがないままでした。スクープ記者として健太を追いかけている辺りが、一番の活躍どころだったかも。コミック4巻あたりの合宿編で変装した姿は可愛かったですね。

ウイングガールズ / コミック文庫4巻より©桂正和/集英社

美森 くるみ:国民的アイドル

コミックス4巻より©桂正和/集英社

国民的トップアイドルのくるみちゃん。健太とはクイズ番組で共演して知り合いますが、なんと、のちにお忍びで健太の部屋に遊びにきたりするんですよ!?アイドルが家に遊びにくるとか、健太が羨ましすぎます。

あおいさんより1歳年上の17歳設定ですが、もっと大人びて見えます。

桜瀬 りろ:敵から味方へ、ロリコンキャラ

コミック文庫4巻より©桂正和/集英社

Drアンバランスが作り出したゾウジンゲン(人造ポドリムス人って感じでしょうか)で、敵キャラとして登場しますが、のちにウイングマン達の味方になります。リメルとの最終決戦でも活躍します。武器は美声で、大声でモノを破壊したりもできます。

アニメにも出てきますが、たしか、ここらでアニメは熱心に見るのをやめてしまいました。

ドクター・ヴィム:大人の魅力の哀しきヒロイン

コミック文庫5巻より©桂正和/集英社

敵でありながら、ウイングマンの”ヒーロー魂”に触れ、心を開いていきます。男嫌いのキャラでしたが、敵であるウイングマンに惹かれていきます。ここでも健太モテすぎ問題に嫉妬です。

大人の入浴シーンもありましたね。

キータクラー:ウイングマンのライバル

コミック文庫5巻より©桂正和/集英社

物語のはじめから最後まで、ウイングマンのライバルとして登場。リメルの右腕として登場しますが、リメルを裏切り、投獄されます。しかし、「本物のヒーローとなったウイングマン」の前に、最後の敵として登場します。

健太が通う学校にイケメン教師「北倉先生」として潜入してきます。北倉先生は、漫画ではあっという間に消えてしまいますが、アニメでは健太の担任の松岡先生とのラブコメみたいなエピソードがたくさんありましたね。のちに北倉先生とそっくりの「北村先生」ってのが出てくるのですが、何者だったのか謎のまま終わります。

ちなみに、キータクラーは、あおいさんの幼馴染(ゲス野郎)ナアスの師匠だったりします。

アニメ版とマンガ原作の違い

アニメ版と漫画原作版のウイングマンは、全然違います。全くの別物といっても良いくらいです。今どきは、ここまで違った作品になるのは珍しいですが、昔は大人の事情(?)で漫画とアニメが大きく違う作品になるのは割とあったみたいですね。

アニメ版は漫画の持つシリアス要素が少なめで、コメディ路線を強く打ち出した「学園ギャグ」となっています。(松岡先生が主役並みの登場回数で、しかも美人教師の扱いです。)

ストーリーも途中からはアニメオリジナルのものが多くなり、リメル編だけで終わります。

ひとつ、ヒーロー数あるなかで
ふたつ、富士山ひとっ飛び
みっつ、美紅ちゃん愛してる

アニメオリジナルの決めセリフ (´∀`=) ナツカシー

漫画版のカッコ良さがなくなっている

漫画版と比べると、アニメ版は恐ろしくダサいです。日本アニメ史において、「アニメ化で改悪された作品」の筆頭に挙げられることもあるくらいの黒歴史となっています。

めちゃくちゃカッコいい「ウイナア」「ウイナルド」の出番がほとんどなく、アニメでは「ウイナアⅡ」「ウイナルドⅡ」になっていたり(タイヤのついた普通のバイクです。おそらく変形する超合金を作るため?)。「パワーチェイング」「マッハチェイング」という、力が強くなったり、速く動けるようになったりする、アニメオリジナルの技が出てくるんですが、その変身後のデザインが絶句レベルでダサい・・・。

アニメ版には、ウイングマンの武器の中で最もカッコいい「ソーラーガーダー」も出てこないですからね。

最終回の違い(※ネタバレ注意)

漫画版「ウイングマン」の最終回は、本当に感動的で、とても良くできています。少年まんが屈指の最終回だと思います。

ざっくりと、最終回のあらすじを書いてみます。

ライエルに撃たれたあおいは死んでしまいます。
健太はドリムノートであおいを生き返らせようとしますが、あおいの父は「いくらドリムノートでも人の命を生き返らせるほど万能じゃない」と言います。しかし、健太は「全ページ消して、全ページに書けばなんとかなるでしょ!」と言って、ドリムイレイサーで、ドリムノートのすべてのページを消して、「あおいさんが生きかえる」と書きます。あおいの父は「そんなことをしたらウイングマンのすべてを失ってしまうぞ!」と言いますが、健太は「かまうもんか!あおいさんが生き返るならウイングマンなんか!」と叫びます。

しかし、あおいさんはピクリとも動きません。泣き叫ぶ健太・・・。

と、宇宙から地球を見た視点に変わり・・・なんと時間が巻き戻り・・・第1巻の冒頭で、健太があおいと出会った電信柱のシーンになります。

「この電信柱がみょうに気になるな」と健太は思います。そこへ、セーラー服を着た高校生のあおいが通り過ぎます。健太は「どっかで見たころあるような気がするな…誰かに似てるような…」と考えますが思い出せません。

あおいは「なんだよ人の顔、ジロジロ見やがって!」と健太に凄みます。しかし、怒った顔のあおいの表情が、弛みます(この表情の変化はとても泣けます 。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン)そして、健太のほっぺにキスします。ビックリした健太は「しらない女の子にキスされたあ!」と走り去ります。

あおい「わたしってダメね…。ちょっとケン坊の顔を見にきただけなのに、気持ちが揺れちゃって…。でももうさみしくないんだ…。ちゃんとケン坊にお別れできる…。だって私の中にはいつもケン坊がいるから。私の命はウイングマンのすべてなんだから…。あなたはきっと正義の味方になれるよ。じゃあねケン坊、サヨウナラ…」
あおいは、健太のかばんを電信柱の下に置いて、ポドリムスに帰ります。

この物語の冒頭の電信柱の使い方が、視覚的に映えて、とても美しい余韻を与えてくれます。

「夢だったのか…。けっしてそんなことはない。夢から現実となったウイングマンは消えたが。時がもどり記憶をなくしても、健太は様々な体験をしてきたのだから。戦いでのキズは健太の体に深くきざまれている。キズだけじゃない、やさしい心、命の尊さ…。夢から現実となったウイングマンは消えたが…。健太が夢を持ち続けるかぎりウイングマンは現れます。そして、健太が正義の味方であるかぎり、大きくはばたく日がいつかまた、きっと…」
ウイングマン 完

本当に素晴らしい最終回です。何度読み返したか分かりません。

次にアニメ版の最終回です。

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アニメ版では、ライエル編はなく、倒したはずのリメルが「ゴースト・リメル」として復活し、これがラスボスとなります。ゴースト・リメルを倒した後、健太はドリムノートをあおいに返しますが、最後のページに「さよなら アオイさん 会えてとても 楽しかった」とメッセージを残します。「でもせっかく友達になれたんだから、記憶を消したりする必要はないよね~」と健太ははしゃいでいます。

漫画の原作では、物語の終盤で、健太の気持ちは美紅からアオイに傾いていきます。健太は「この戦いが終わったらあおいさんと一緒にポドリムスに行って、あおいさんと結婚したいんだ!」とまであおいに言います。あおいは「美紅ちゃんとケン坊は結ばれるべき二人なの。だから…もうああするしかないんだから。でもそうなったら本当にさよならなっちゃうんだよ。ケン坊がいけないんだからね」とあおいの考えが示され、健太の記憶を消す用意があることが伏線として張られています。漫画原作のあおいさんはお姉さんキャラで、健太と美紅を一歩引いたところから見守っている感じが強いです。

一方、アニメ版のあおいは、健太への恋心を断ち切るために、健太の記憶を消すという決断をします。

あおい
「ケン坊は、美紅ちゃんのことだけ考えてればいいの。私やポドリムスの記憶なんていらないの。さよなら、ケン坊」

健太「あおいさん、楽しかったよ。ありがとう」
あおい「ケン坊、あなたが私を忘れても、私はあなたを忘れない。私だって、私だって、ケン坊を愛してたのよぉぉぉぉ!!」

時間が巻き戻ることもなく、健太の中学校の卒業式のシーンで終わります。卒業生総代として答辞を読んだ健太は、セイギマンの格好をして「中学最後のヒーローショー」をやろうとします。怒った松岡先生と追いかけっこをしてエンディングです。

あまり余韻が残る最終回とは言えません。
なんと最後のセリフは「今日から、そして明日まで。セイギマンは不滅なり!」です。そこはせめて「ウイングマン」って言って欲しかった!(´Д`υ)

まあアニメ版の最終回の時点では、漫画原作は未だ完結していないので、原作の要素を取り入れようがないのですが…。

アニメ版「夢戦士ウイングマン(全47話)」はBlue-rayで観れます。パッケージは桂正和先生の新しい書下ろしなので、ぜひチェックしてみてください。

アニメ版ウイングマンの音楽はカッコいい!

アニメ版ウイングマンを酷評していますが、音楽は名曲ぞろいでカッコいいです。「決まりきらないポーズでも異次元だったらそれでOK~♪」ではじまる主題歌『異次元ストーリー』はカッコいいですし(特にAメロはゾクゾクするくらい好き)、「100%のヒーローなんているわけないよと分かってるのに~♪」のエンディング局『WING LOVE』も甘酸っぱい歌詞が心に残る名曲です。

他にも、特撮ヒーローもの風の挿入歌『悪!裂!ウイングマン』も最高にカッコいい隠れた名曲ですし、アイドルソング調の『いけない三角関係』や『恋のミラクル・ビーム』なんて曲もありましたね。

ウイングマンの音楽集は中古で割と安価で手に入ります。

回収されなかった伏線?

漫画原作では「回収されなかった伏線」があります。
最も大きいのは「敵がドリムノートに書いたことが消える」というもので、2度出てきます。1度目は、シードマン・ティールがドリムノートを奪った際に、キータクラーが「喫茶ヘドリアンにいる三次元人をみな殺しにしろ」と書いたところ、書いたことは実現せず、ノートに書いた文字も消えてしまいます。2度目は、アオイさんの幼馴染ナアスが書いた「この町にいる三次元人は大爆発とともに町ごとフッ飛ぶ」という記述。これも実現せず、文字も消えています。

この2度の伏線は結局、物語の最後まできちんと回収されずに終わってしまいます。僕が思っている解釈は、「悪いことは書いても実現しない」という単純なものではなく、「書いた人物の夢(強い思い)でないことは実現しない」ということだと思います。

実はそういった話はライエル編の「バクプラス」との戦いで描かれています。健太が「夢」を奪われてしまったときに、ドリムノートは白紙になっています。そこであおいさんが代わりにドリムノートにウイングマンを書くのですが、すぐに消えてしまいます。ドリムノートを作ったドクター・ラークことあおいのお父さんが、「ドリムノートは夢を現実化するノートだから、夢でないことはいくら書いても現実化しない」というようなことを言っています。

これが伏線の回収といえば回収になりますね。あれ?回収されてるのか?(笑)

あとは、ライエル編に出てくる「北村先生」も謎のままですね・・・。「北倉先生」に似てただけ(キータクラーが三次元人に変身した際にモデルにした人物?)ということでしょうかね。

ウイングマン、再アニメ化or実写化を熱望!

昔のアニメ「夢戦士ウイングマン」は、諸々の大人の事情があり、不完全燃焼だった感が否めないので、現在のアニメ技術で「再アニメ化」なんて作ってくれないかなぁっなんて思っていますよ。現代の「日本が世界に誇るジャパニメーションの技術」で妥協なく作れば、すごいものができそうですよね。もしくは「実写映画」、なんなら『GANTZ:O』みたいな「フルCG」なんてのも面白いかもしれません。

ネット上でも「ウイングマン」の評価は高いですし、掘り起こしの需要はかなり高いと思います。集英社さん、いかがですかね?

もし実現するなら、変な改変はなしで、原作のカッコ良さをそのまま生かす感じで作って欲しいですね。ウイングマンのビジュアルは、あのままで完成されていますから。ここ、すごく重要です。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。
私にとって、「ウイングマン」は人生の大切な思い出です。同じように思っている人は多いはずです。
もしよろしければ、あなたの「ウイングマンの思い出」をコメント欄で教えてくださいね。

未読の方は、ぜひ読んでみて下さい。もちろんマンガ原作で!
皆で、チェイング!!悪!烈!ウイングマン!!!

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ウイングマン1巻と13巻

2 件のコメント

  • 今、amazon primeで「夢戦士ウイングマン」を配信しているので改めて観ています。
    かくいう私も原作の素晴らしさに惚れ込んだ原作派です。

    アニメ化当初、期待と現実のギャップにショックを受けて、広野健太のキャラクターの違いに戸惑い、途中からアニメ版は斜めに見ていました。

    今、大人になってアニメ版を観ていると、話数を重ねるごとにだんだん絵が綺麗になって、色合いも当初の原作のようなパステルカラーや中間色がうまく使われるようになってくることに気付かされます。

    当時、そうとうのクレームがTV局に入っていたんだろうなぁと感じました。
    テレビの尺の都合で無理やり話を縮めたり、敵があっけなくやられちゃったり、不満はありますがこれが精一杯だったんだろうなぁ、と。

    アニメーターさん達の意地というか、「独自路線」VS「原作に忠実」との戦いの火花を感じます。

    原作とアニメの違いでとても残念なのは、ナアス編の戦いの途中で健太がナアスに言う「お前は、最悪だ」のセリフ。
    原作ではコマ割りも工夫して健太の心の怒りがとても強く伝わってきたのに、アニメ版ではさらっと早口で流されていました。あそこは大事なのになぁ。

    でも、アニメ後にもリメル編のドラマLP&カセットが発売されたり、ファンが多かったからこその展開もあり、アニメ化の功績も大きかったなぁ、と思い出されます。

    素敵な記事をありがとうございました。
    私にとってもウイングマンは今も大切な漫画です。

  • ウイングマン
    本当に人生を大きく変えた作品です。

    Amazonprimeで少し見ましたが、かなり記憶が美化されていることに驚きました。

    本当に私にとって、かけがえのない宝のような作品でした。

    もちろん、漫画版ですね!
    アニメ版とは随分違うと思います。

    最後すべての記憶を失くして、また中学の赤いウインマンから始まる。。。

    悪、烈!
    ウイングマン!

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